「最近、仕事でミスが増えた」「急にイライラしたり落ち込んだりして、以前のように働けない」「もうすべて投げ出して仕事を辞めたい……」と悩む40代女性の方もいるのではないでしょうか。
40代は責任ある立場を任される一方で、体調の急激な変化が訪れる時期です。「ダメになった」と自分を責めていませんか。
この記事では、辞めたいと感じる原因を整理し、突発的に辞めて後悔しないために考えることや、あなたの心とキャリアを守るための具体的な行動をお伝えします。一人で抱え込まず、一緒に解決の糸口を探していきましょう。
更年期・プレ更年期が原因かも?|40代の「仕事辞めたい」

「どうしてこんなに仕事ができないのだろう」と落ち込む不調、それはあなたの能力不足ではなく、更年期やプレ更年期による心身のサインかもしれません。ここでは、40代特有の体の変化と、私たちを取り巻く環境について知ることから始めましょう。
更年期とは?
女性の体は、最後の月経から1年以上月経がない状態を「閉経」と呼びます。日本人の平均閉経年齢は50.5歳であり、閉経を挟んだ前後約5年ずつ、合計10年ほどの期間が更年期です。一般的に45〜55歳頃にあたります。
更年期は女性ホルモンが減少することで、さまざまな症状がさまざまな程度であらわれます。症状が重いと生活や仕事の能率に支障が出ることも。治療せずに我慢していると、仕事への影響だけでなく精神的にもつらくなり、離職につながることもあるため注意が必要です。
40代女性を取り巻く環境
40代の女性は、更年期という体の変化を迎えるのと同時に、社会的にも負担が大きくなる時期です。職場では責任あるポジションを任されやすく、プライベートでは子育てや親の介護などが重なりやすい世代でもあります。
心身の不調を抱えながらたくさんの役割をこなしていれば、キャパシティオーバーになってしまうのはある意味当然です。「私が頑張らなきゃ」と無理を重ねる前に、まずはご自身を取り巻く環境の過酷さを客観視してみてくださいね。
更年期で「仕事を辞めたい」と感じたときに考えること3つ

心身が限界を迎えると「今すぐ辞めたい」と衝動的に考えてしまうものです。しかし、勢いで退職を決めると後悔してしまうことになりかねません。
ここでは、決断を下す前に立ち止まって考えてほしい3つのことをお伝えします。
考えること1. 一時的な体調不良か、それとも職場の根本的な問題か
更年期のつらい症状は永遠に続くものではなく、数年で落ち着くことが多いとされています。今つらい原因が主に体調にある場合、もし体調が元に戻れば、今の仕事を続けたいと思えるでしょうか。それとも、人間関係や労働環境そのものが限界に達しているのでしょうか。
また、人間関係や労働環境の悩みであっても、会社の制度改正や人事異動などで今後状況が好転する可能性があるかどうかも併せて考えてみましょう。
考えること2. 経済面とキャリアの後悔はなさそうか|突発的にはやめない
経済産業省の試算によれば、女性特有の健康課題(更年期症状など)による社会的な経済損失は年間1.9兆円にも上ると推計されています。また、NHKの調査によれば、更年期症状による離職率は正規雇用で7.1%、非正規雇用で10.4%に達しています。
多くの方が悩む問題ですが、よく考えずに突発的に退職してしまうと、その後の収入源や積み上げたキャリアを失い、後悔するリスクが高まるので注意が必要です。
考えること3. 退職の前に休職という選択肢を検討したか
更年期のつらい期間は、平均して5年程度ともいわれています。この期間を、適切な治療を受けながら乗り切るという道もあります。
どうしても出社が困難なほど症状が重い場合には、退職を選ぶ前に医師に相談し、「休職制度」の利用も検討してみましょう。「辞めるか、無理して続けるか」の2択ではなく、一旦休んで回復を待つという選択肢も大切です。
出典:経済産業省ヘルスケア産業課|女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について
出典:NHK|「更年期と仕事に関する調査2021」結果概要―仕事、家計への影響と支援についてー
つらさを乗り越えるための行動|キャリアを諦めない方法

更年期の不調は、決して一人で耐え忍ぶものではありません。あなたの心と体を守りながら、これまでに築き上げてきたキャリアを諦めないための具体的な行動をご紹介します。制度や周囲を上手に頼りましょう。
婦人科を受診する
更年期の症状は、我慢せずに婦人科を受診し、適切な治療を受けることで改善されることがほとんどです。
代表的な治療法として、ホルモン補充療法(HRT)や漢方治療があります。また、気分の落ち込みなど精神的な症状が強い場合は、抗うつ剤や睡眠剤などの薬物療法が有効なケースも。環境的要因からくるストレスが強い場合は、カウンセリングを受けることも一つの手です。一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみましょう。
職場への相談と制度活用
職場で更年期症状に悩まされたとき、相談できる窓口は以下のように用意されています。
- 人事・労務担当者
- 産業医
- 上司や同僚
相談する際は、現在の体調と「どう配慮してほしいか」を具体的に伝えることがポイントです。企業によっては「女性の健康相談窓口」を設けている場合もあります。会社に配慮を求め、制度や相談窓口を活用することは従業員の立派な権利です。
業務の引き算とセルフケア|完璧主義からの脱出
「これまでのようにすべてを完璧にこなそう」とする自分を手放してみませんか。体調が不安定な時期は、業務の優先順位を下げて引き算をしたり、思い切って周囲に頼ったりするマインドへシフトすることが何よりのセルフケアになります。
働き方を変える(退職・転職)と決めた場合のステップ

対策を尽くしても「どうしても今の職場では無理」と感じるなら、環境を変えるのも前向きな選択です。働き方を変えると決めたあなたへ、心身に負担をかけずに次のステップへ進むためのポイントをお伝えします。
在宅ワークや時短勤務など、心身に優しい新しい選択肢
もし今の職場を離れることになっても、キャリアのすべてを捨てる必要はありません。体力的な負担が少ない在宅ワークや、週3~4日だけ働く勤務スタイルなど、40代からでもシフトできる柔軟な選択肢はたくさんあります。心身に優しい新しい働き方へ目を向けてみましょう。
次のステップへ進む前にしっかり休む期間を作ろう
もし退職を決断したとしても、それは次へ進むための前向きな選択です。退職後は焦ってすぐに次の仕事を探すのではなく、まずは心と体をしっかり癒やす充電期間を持つようにしましょう。休むことも大切なステップの一つです。
まとめ|更年期には終わりがある。あなたの心と人生を一番に考えて

長くつらく感じる更年期の不調ですが、トンネルには必ず出口があります。ご自身を責めず、心と体の健康、そしてあなたのこれからの人生を一番に考えて決断を下してくださいね。
「働く人の保健室」は、あなたがここでひと休みし、どんな選択をして歩み出したとしてもずっと応援しています。

